2013年2月19日火曜日

けっしてあなたを




評論家が嫌われるのは
評するから
論じるから
言葉の時空をひとりの言葉で埋め尽くそうとするから
認めたわけでもない価値観を平気で抜刀するから

今のじぶんのものでない価値観
それにもとづいてならべられる言葉
そうしたものを
人間はなかなか許せない

多様な価値観を認めて…
受け入れて…
―そんなこと、ありえない
人間の世界では

現場に立たない教育行政官吏や
第二次大戦時の連合軍の継続支配機関の国連のような
そんな御託をならべても
価値観の戦争は人心で続く

平和なんて、ありえない

価値観ABの戦争の後では
かならずCDの戦争が始まる
いつのまにか
ACDも始まり
Bは次代の兵器開発にかかる…

ここまでの記述にあなたが賛成なのが証拠
ここまでの記述にあなたが反対なのが証拠

反対なあなたに
わたしも反対

けっして
あなたを認めはしない

けっして
あなたを許しはしない





作者註
きつい調子で終わってしまいましてスミマセン
わたくしの意見ではないのでございます
ことばが勝手に
ここでは
こんなふうに並びたがっただけでございまして
思いのうちの一筋が
勝手にこんなことばの数珠を作りたがっただけのことでして
「けっして
「あなたを許しはしない
なんて
ああ
「けっして
「あなたを認めはしない
なんて
ああ
キモワル
すこし早めの
ホラーでございますわ


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