2013年3月13日水曜日

生きているのは



 死ぬために命は生るる大洋の古代微笑のごときさざなみ
 春日井健







生きているのは戦場

そう言うと
眉をしかめる人や
不穏な比喩だと怒る人もいるが

そういう人たちでも
髪や爪を切って過多の細胞を平気で捨てるだろう
夏に大輪を咲かせるために間引きをするだろう
昨日は豚ロースをうまそうに炙らなかったか
江ノ島で生しらす丼を喜ばなかったか

生きているのは戦場だから
戦傷もするし
戦死もする

それだけのこと

そういうことでいいではないか
もっと生きられたのにとか
おだやかに暮らせればよかったのにとか
甲斐がない
戦場で言っても

ああいう奴もいたなあ
やっぱり
死んだけどね

それでいいではないか

なにをオメオメ…

はじめから
死ぬためにきたのではないか


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