2013年3月28日木曜日

超在


  
人、霊、魂、…
次第にこの簡単な三分類が有効だと気づいてきた…

体、霊、魂、ではなく
人、霊、魂。

体にぴったりくっついた感、情、念も含めるために
人と呼ぶほうがふさわしい
この世に働く人間的総体を示すのに
こういう観念に自分で到るのに
長い年月を費やした

人は時間と空間の枠に囚われている
霊はそれらの外にあるが影であり
人の消滅後はしばらくして霧散する
本質的な永劫の存在である魂はあり続ける
しかし言語や観念でこれに触れようとするのは難しい
存在するなどと表現してしまいがちだが
魂は存在はしていない
存在は限定された概念であり物質にしか適用できない
矛盾をはらんだ表現をすれば超存在的に存在している
超在している

人、霊、魂、はつねに同時に重なって在る
霊や魂でない人はいないし
それらでない瞬間はない
しかし人である意識とその意識が強いる目隠しが
霊、魂、であることを強烈に忘却させる

物質界から意識が自由になる稀な瞬間
人を保ったまま霊、魂、であることを強く認識する
そのとき時間と空間のほとりに出て
日頃送っている生がフィクションであることを実感しうる
そのとき死者たちが死者でなく
むしろ身体とそれに密着した感、情、念こそ
どれほど死と呼ぶべきこわばりであるか痛く感じる

生死に悩み過ぎる心たちのために
わたしは次第にあかりとなる
宗教的な組織なしに
金銭や財の流れの外で
無言のまま
会うこともないまま
癒しと覚醒が起こる
ながいあいだ
一人の「人」を通じて言語と概念の修練を行ったが
わたしは来た
なおも文芸の蓑を纏い続けるが
わたしはすでに来ている
異言をもう恐れない

わたしは来た



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