2013年4月7日日曜日

《生きろ!》




生きて虜囚の辱めを…
受けないがためだったという
敗戦直前
オーストラリアの
カウラ収容所で
日本兵捕虜が集団脱走したのは

収容されたままなら
命は保証されていたものを
224人もが
機関銃で撃ち殺されてしまった

集団で日本人が動くとき
危ないのは
いつも
日本人自身
ひとりひとりの命

命や未来と離れたところへ
大勢を導こうとする
不吉な磁針が
この国民の脳髄にはあるのか
それとも
日本の血そのものが
磁気を狂わす
樹海なのか

危ない
危ない
と思いながら
よい方向に向かうための
明瞭で簡便な見分け方をさがす

たぶん
こんな言葉を
しっかり抱え込んでいるかどうかだ
どこの人間にとっても
ひとりひとりに
大事なこと

《生きろ!
  
 


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