なんでもないことで
人のことはわるく思いたくないが
がらんとした電車内に乗り込んできたふたりの
かなり太った女子大生が
ぼくの坐っていた3人がけの席にわざわざ腰を下ろし
それまでのんびり本を読んでいたぼくを
席を区切る棒にギュウッと押しやり
なんだか
わからないなぁ
この人たち
目の前も
あっちも
そっちも
ガラ空きの車内なのに
どうしてここに座るかなぁ
(そりゃあ
(こちらが立ってむこうの席に移るのはわけないが
(なんだか
(あてつけみたいで
(ちょっと不穏当だし
どうしたものかなぁ
いやだなぁ
と思って
もう
本にも集中できなくなっていると
だんだんと
饐えた
どぶ臭い
ヘンな
においが
してきたので
となりの太った女子大生のほうへ
それとなく
鼻をむけると
やっぱり
その子の服から
じど~っと
やってくるにおいで
しげしげ
までは見ないが
ちょろちょろ
見てみると
カーキの
くしゃくしゃの
薄いコート
みたいな
ものを
着ていて
どうもここから
らしいな
饐えた
どぶ臭い
ヘンな
においは
その下には
黒の
わりときれいな
ワンピース
みたいなのを
着ている
のに
饐えた
どぶ臭い
ヘンな
においの
コート
髪の毛など
さらさらして
きれいなのに
どうして
服が
こんなに
くさい
の
と
思うかたわら
からだは
ギュウ
ムギュウ
と押されっぱなしで
まったく
わけのわからない
受難の
20分
の
電車帰途
午後3時
ちょっと前
都内でも
場所によっては
ほんと
ヘンな人たちが
ヘンなふうに
乗り込んできて
ヘンなことに
なる
ヘンな
時間帯ですよ
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