2013年5月16日木曜日

ヘンな時間帯ですよ





なんでもないことで
人のことはわるく思いたくないが

がらんとした電車内に乗り込んできたふたりの
かなり太った女子大生が
ぼくの坐っていた3人がけの席にわざわざ腰を下ろし

それまでのんびり本を読んでいたぼくを
席を区切る棒にギュウッと押しやり

なんだか
わからないなぁ
この人たち

目の前も
あっちも
そっちも
ガラ空きの車内なのに
どうしてここに座るかなぁ

(そりゃあ
(こちらが立ってむこうの席に移るのはわけないが
(なんだか
(あてつけみたいで
(ちょっと不穏当だし

どうしたものかなぁ
いやだなぁ
と思って
もう
本にも集中できなくなっていると

だんだんと
饐えた
どぶ臭い
ヘンな
においが
してきたので
となりの太った女子大生のほうへ
それとなく
鼻をむけると

やっぱり
その子の服から
じど~っと
やってくるにおいで

しげしげ
までは見ないが
ちょろちょろ
見てみると

カーキの
くしゃくしゃの
薄いコート
みたいな
ものを
着ていて

どうもここから
らしいな
饐えた
どぶ臭い
ヘンな
においは

その下には
黒の
わりときれいな
ワンピース
みたいなのを
着ている
のに
饐えた
どぶ臭い
ヘンな
においの
コート

髪の毛など
さらさらして
きれいなのに
どうして
服が
こんなに
くさい
思うかたわら

からだは
ギュウ
ムギュウ
と押されっぱなしで

まったく
わけのわからない
受難の
20分
電車帰途

午後3時
ちょっと前

都内でも
場所によっては
ほんと
ヘンな人たちが
ヘンなふうに
乗り込んできて
ヘンなことに
なる
ヘンな
時間帯ですよ






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