生活は続けるほかないものだろうが
だいじなものではないように思う
わたしというものはだいじではないが
あなたというものもだいじではないから
ここだけでなく世界中の
わたしもあなたも同様にだいじではないから
だいじではないからどうでもよいというものでもない
だいじでないからといって在るものはあり
無くなるものは無くなる
無くならないものは無くならない
ここらへんの事情について
おそろしいほど愚鈍な考え方しかできない人たちがいる
どうでもよいわけではないなら
だいじだということだろう?
だいじだと言いなさい
だいじでした、はい、あいすみませんでした
そうあやまりなさい
などと言い募る人たちがいる
ひとりやふたりの人間が
あるいは地上の多数の人間が
なにかをだいじだと言おうが言うまいが
なにかにとってそんな評価はどうでもいいことだが
だいじだと言いなさいと言い募る人は
なんというか
人間的に美味しくない人なので
わたしは近寄りさえしない
あたりさわりないご挨拶やお世辞だけを
言っておくことにしている
そうして
お亡くなりになっても
出向きもしない
そういう表現で
いいと思っている
社会という辺鄙な閉鎖空間にあっては
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