2014年1月26日日曜日

近づいてきているが



じわじわと乱れが近づいてきているが
気のなかにどれだけ人びとは感じとっているだろう
誤解と非情と暴力のまじりあった不愉快な大きなものが来る

血のにおいが一面に漂ってきている
からだの血の
こころの血の

地球やひとの心には美しいものもあるなどと
言う余裕も持てないような雲に覆い尽くされることになるだろう
なぜならば見ないできたからではないか

なぜならばとうとう救わないできたからではないか
来るものはただ返ってくる波にすぎない
ひとよりも多く吹き寄せてきていた安楽を

ついに他へ分け与えなかったからではないか
つくりあげたものはどれも破壊され尽くす
あんなに矜持をもって成したものがなにも残ってはいかない

まるでソロモンが建立したエルサレムの神殿のように
感情の彩や喜怒哀楽や近代の夢を歌うのではなく
詩は預言を語るためのものだと忘れた国は

どれも雲に覆われて尽くしてしまう
じわじわと近づいてきているが
感じとっている人びとはほんとうに少ない

子も孫も生きのびるのは難しく
曾孫たちにいたっては
息をする日数が短く数えられてしまっている

血のにおいが一面に漂ってきている
からだの血の
こころの血の

地球やひとの心には美しいものもあるなどと
言う余裕も持てないような雲に覆い尽くされることになるだろう
なぜならば見ないできたからではないか

じわじわと乱れが近づいてきているが
気のなかにどれだけ人びとは感じとっているだろう
誤解と非情と暴力のまじりあった不愉快な大きなものが来る




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