2014年2月2日日曜日

ひたすら詩歌は



ほんとうのことを言えば
詩歌はすべて
いまこのようにあることへの賛歌であるべきだろう

どんなに苦しんでいるか
どんなに不遇か
そんなことに詩歌のことばを用いるべきではない
詩歌で嘆いてもなにも変わらない
変えるためには散文のことばを用いるべきで
変えるためにはことばに揺るがない精神を発揮すべきだから

だから飽くことなく
きょうも空が青く雲がうつくしいとか
森から森へ霧がしずかに流れ
川のせせらぎが心を静めてくれると
詩歌は歌い続けるべきだ

むかしから
日本の文芸がすべてそうだったように
四季を賛美し
そうして無常を見つめ続け
わたしたちを包むうつくしさや
さびしさへ
ひたすら詩歌は
帰っていこうとすればいい
                               




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