ほんとうのことを言えば
詩歌はすべて
いまこのようにあることへの賛歌であるべきだろう
どんなに苦しんでいるか
どんなに不遇か
そんなことに詩歌のことばを用いるべきではない
詩歌で嘆いてもなにも変わらない
変えるためには散文のことばを用いるべきで
変えるためにはことばに揺るがない精神を発揮すべきだから
だから飽くことなく
きょうも空が青く雲がうつくしいとか
森から森へ霧がしずかに流れ
川のせせらぎが心を静めてくれると
詩歌は歌い続けるべきだ
むかしから
日本の文芸がすべてそうだったように
四季を賛美し
そうして無常を見つめ続け
わたしたちを包むうつくしさや
さびしさへ
ひたすら詩歌は
帰っていこうとすればいい
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