やや遅く起きたその日
どうしたことか
いま目に見えている景こそが
そのなかにいることこそが
ほんとうの奇跡だと
わかるようになっていた
見えていること
触れられること
聞こえていること
風が肌に触れ
ひかりの重さを
手の甲に
腕に受け止めること
これこそが奇跡で
るるるると
奇跡に次ぐ奇跡のなかを
ずっと渡ってきたと
わかるようになっていた
以来
この奇跡の
あらわれの仕組みばかりを
思い続けるようになった
ほかの問題は消えた
この世のことは
そもそも問題でないと
わかるようになっていた
0 件のコメント:
コメントを投稿