2014年5月29日木曜日

政治



いまや政治といえば
最も醜いやからの集まる
最も醜い泥濘の場
それを思わせる言葉

けれどもこの言葉
アリストテレスなら
ずいぶん違った
使い方をしている

最も有力な
最も棟梁的な
そんな位置にある政治
と彼はいう *

彼によれば
国でどんな学問がなされるべきか
どんな学問をどの程度学ぶべきか
それを規律するのが政治

人間というものの
善こそが
政治の究極目的でなければならぬ
とも

すべての発端たる
古代ギリシャに
時どき戻ってみるのは
いまだに有益

善というものと
緊密に結ばれたものとしての
政治を救い出すのは
永遠に急務



*アリストテレス『ニコマコス倫理学』第一巻第二章。

        
   


0 件のコメント:

コメントを投稿