つい先ほどまでは暑く感じるほどだったのに
すこし西空が暗くなってからは
膨れた空気の球がしぼみでもするように
気温が下がってきてしまった
肌寒くなりはしないものの
なにかの過ぎ去りのあらわれのように
あたりの景まで様変わりしてしまっている
西空を暗めた雲のひろがりは
それでも雨を降らさずに移りゆき
空はふたたび明るさを取り戻してきている
空の青はそれでも戻らずに
薄雲が広がっているのだろう
白みがかったまゝ人界を覆っている
風が出てきているのか…
つい先ほどまでは暑く感じるほどだったのに
疲れてたどり着いた者たちを
高原の空気とはことなって
あまりに冷やしはしないように配慮しているかのような
暖かみもないではない
やわらかい涼しみで癒す中間地帯のような
気のたゆたいが寄せてきている
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