2014年8月14日木曜日

風の辞書を抱えて




風の辞書を抱えて
曾祖父の部屋から麦たちが
七面鳥の柵のほうへ
ずいぶんゆっくりと伸びていく
それを確かめ
ここまで這ってやってきている海を
注意深く捲ると
キャサリンのむちむちの腕
メモして置くことは
竜胆と
コスモスと
すぐそこの電柱に着せる冬支度
吠えろ、犬のONE
すてきなコップを
大事に握って
しばらく見続けている
若草いっぱいの丘
季節なんて
一度もかわったことのない
ひとりぼっちの
賑やかさ
誰もいないのに
ぎしぎし鳴る古階段も
今日は
やけに賑やか





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