「理論を失った人間は逸話と暗喩に生きる」*
と高橋和巳は書いているが
逸話と暗喩に生きているわけでもない人間が
逸話と暗喩ばかり口にして
なにかを誤魔化しているかに見えるとしても
理論を失ったわけでもあるまい
理論を失わされたと言ってみたところで
やはり
逸れてしまっている
「人が滅びるのは、自堕落によってではない。
むしろそう、その人間を勇気づける理想によってなのだ」**
とも書いているが
記述としては
いいな
嘘っぱち
なんだけれど
記述としてはよくっても
な
文学は
やはり歌ってしまう
小説だって
歌は歌
引かれ者の歌
めめしい
なめくじののたくったような
べとべとの執着の
歌
価値
あんのかね
ホントに
ないんじゃ
ない?
三十九歳で死んだ
高橋和巳には
わからなかったんだな
カッコいい
断定なんだが
嘘っぱちは
嘘っぱち
*高橋和巳『堕落』第一章 4
**同書第一章 5
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