2015年7月27日月曜日

しあわせな人は




しあわせな人は世間なんか見ない
国会なんかには行かない
残念ながらね
頭のしあわせな人
というのも含めてね

皮肉や諧謔っていうのは
どんな時にも必要
イギリス人たちにさんざん学んだものさ
自嘲も
うまく使えばいい味が出る
責任逃れにも
役に立つし

しあわせな人は
しあわせなんて言葉は使わない
平和も祈らない
戦争反対もしない
祈りも反対も
じぶんより巧みに
不可思議な情熱をこめてやる連中が
なぜかこの世には
ごまんといるのを知っているから

頭のしあわせなやつ
と言われても
しあわせな人は怒りもしない
大事なのはつねに
表には立たず
自分の時間を
他人のためにも
世間のためにも
費やさないこと
世間と人類は違うと知っていること
だいたい
人類だって
たゞの酔いやすい言葉の場合が
ほとんど
そうしてつねに
人びとの
世間の裏をかくこと

どんな時代にも
瞬間にも
かならずエアポケットがある
安全で居心地がよく
適度な温度で
春のうららかな日のような
秋のさわやかな昼のような
たったひとりか
数人しか入れないような
小さな小さな空間
そこを瞬時に
見つけて入り込むこと
周囲では爆弾がさく裂し
津波や山崩れが立て続けに起こり
阿鼻叫喚の光景が広がっても
エアポケットの中から
眺め続けること
世界を救おうなどと
愚かなことは思わないこと
救う思いが
数十年後に新たなホロコーストを
かならず引き起こしてきた
歴史だけは学び続けておくこと




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