駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2015年9月26日土曜日
とっかかり
いつも遠いところにいて
遠くすべてを見る遠いわたくしが
わたくしにさえ遠く
なにか囁いたり声低く歌ったりしているようだが
わたくしにもよく聞こえない
遠い遠い夢のような
けれども現実の(だって、
わたくしには他になにも世界はないから…)
あゝ
遠さよ
切実さよ
大河の激流の中の小さな足台のような
足の裏ふたつギリギリの
この世との
とっかかりよ
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