駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2016年1月11日月曜日
吸引
じぶんの考えを言ったり
じぶんを主張しているように見えて
じつはまったく
じぶんを出してはいけないのが
実用文でない言葉の領域
それはそれで
むずかしいものがあるけれど
書いたり
見直した後で
じぶんなりにスッしてくるなら
いちおうは
うまく行ったということ
並んだ言葉が
すっかり空無の
真空の「私」や「ぼく」を作り出していて
こちらの思いがスッと
吸引されていった証拠だから
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