2016年5月5日木曜日

淡い優雅な色あいの部屋を



夕食後にずいぶん眠くなり
ちょっと休むつもりで
寝室に寝ころぶうち
一時間ほども寝てしまった
部屋は閉めていたが
となりの部屋は
明かりがつけっぱなしで
暗いこちら側へ
そのあかりが洩れていた

暗いはずのこちら側が
洩れ入ってくるあかりで
灰色っぽいような
うすみどりっぽいような
ふしぎな色あいになっている
まるで棺の置かれる
石室の中のようなぐあいで
今というこの時が
死んでしまった後でも
おかしくなさそうだと思う

それにしても
灰色っぽいような
うすみどりっぽいような
淡いなかなか優雅な色あい
しばらく見まわしていた
いつまでも見つめていたかった
だいぶ長く見ていたが
むこうの部屋のあかりも
つけっぱなしなのだし
そろそろ起きないといけないな
そろそろ生き返らないと
いけないかなと
淡い優雅な色あいの部屋を
おさらばすることにした


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