風雨を避けて
虻は
冷暖房機のホースにとまり
ときどき
前脚を
擦りあわせている
だいぶ前
しかし
まだ十年前ぐらいにしか
ならないか
豪雨の室生寺の
誰もいない
休憩所に足を休めた時
初冬というのに
まみどりの
若々しいカマキリが
ずっと
木の柱にとまっていた
二十分ほど
見つめあった
虻はまだ
前脚を
擦りあわせている
台風のまっさかり
巨大なものが
天空を
過ぎていく
ところ
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