2016年9月25日日曜日

大学生の頃


Quel joli temps pour se dire au revoir.
Quel joli soir pour jouer ses vingt ans.
Sur la fumée des cigarettes,
L'amour s'en va, mon coeur s'arrête.
なんてすてきな時、さようならを言うには
なんてすてきな夕べ、二十歳を演じるには
煙草の煙に乗って
去っていく愛、止まる心
BarbaraSeptembre(Quel Joli Temps)



大学生の頃
秋はいつのまにか始まっていて
まだ葉々は緑なのに
バルバラの歌が似合ってきて
講義には
故郷から戻ってきた
友人たちや知りあいたちが
ぽつぽつ
加わり出し
夕方には
行きつけの喫茶店で
なんとなく
待ち合わせるようになり
読んでいる本の話を
石飛びをするように
ぽつぽつ
し続け
外に出ると
もう肌寒い時もあって
難しいこと
簡単なこと
複雑なこと
簡潔なこと
それらで頭をいっぱいにして
愛は
たぶんなかったが
愛への憧れはあって
うわっつらの
甘美さや
やさしさに惹きつけられ続けで
微笑みや
瞳の輝きの
無意識の蒐集に忙しく
街灯に揺れる
街路樹の葉々に未来の光と影を見るようで
体だけが若くて
他は幼くて
それらにこそ
頼りきって
なんでも乗り切っていける
輝かしいさびしさが
豊かに溢れていた
大学生の頃



 BarbaraSeptembre(Quel Joli Temps)





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