駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2016年11月6日日曜日
手鏡しか
死んだ人を哀惜することなど
たぶん 誰にもできない
その人と共にあった
過去の自分をこそ惜しむか
時間の過ぎ去りに粘着していくか
そんなことぐらいしか
哀惜しているつもりになって
甘えてはいけない
心が他人に本当に向かうなどと
思い込んではいけない
他人に向かっているように見せて
心はいつも
手鏡しか覗いてはいない
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