見惚れてしまう
輝かしく 美しい女の子に
たとえば 電車の中で
ごく 稀に出会う
その時には 見続ける
立って いる
人たちの 隙間から
変には 見られぬように
そんな 奇跡の
瞬間のひとつの 遅い
午後 電車の 揺れに耐えて
母親らしき人の手を 握り
山手線の 輝かしき子よ
立ち続け 乗り続け
発表会などの 帰りか
ピンクの リボンを
輝く 柔らかい 髪の毛に
付け 白い ドレスを着て
やがて どれほど美しい
女性になる ことか
と 凡庸な思いばかり 貧しい
反応として 心に 浮かんだのに
ほとほと 嫌気がさし しばらく
目を 窓外の 風景の流れへ
女の子のほうへ やがて戻すと
母親らしき人は いたが
輝かしい 女の子の 姿は
もう どこにもなく
ピンクのリボンが 飾りに付いた
どこかの ブランドの
純白の 包装袋だけ
母親らしき手には 握られていた
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