強い風の夜のあと
枯葉が
どこのうちの玄関前にも
道のわきにも
かさかさ
溜まっている
だいたいは
ケヤキ
黄色くなった
魚の骨みたいな感じで
そこに赤く
サクラの落葉が
ちょんちょん
混ざる
サルスベリもあるかな
ちょっと遠くの
イチョウの
あざやかなイエローの葉も
どれも
硬い感じの葉ではない
ちょっと思い出す
パリの晩秋の
枯葉
どこもかしこも
マロニエの
大柄な老人の手のような
カランとした枯葉で
墓地などには
むこうのほうまで
いっぱい落ちていて
積もっていて
風が吹けば
カラン
カラン
カラカラ
プラスチックで
できているかのような
音を立てて
転がりながら
鳴り続ける
ダンフェール・ロシュローなど
よく行った頃もあったが
あのあたりの舗道も
車道沿いも
カラン
カラン
カラカラ
風が吹くと
賑やかだったのだ
けっこう
あれだけ
強い風が吹き続けた夜じゅうも
枯葉の音は
あまり響いてこなかった
ニッポンの
今の
街の枯葉というもの
と思うのだ
強い風にあれだけ吹かれてさえ
あまり音のしない
ニッポンの
今の
街の枯葉
と
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