死んでしまつた人間といふものは大したものだ。
何故、あゝはつきりとしつかりとして来るんだらう。
小林秀雄『無常といふ事』
使い終わった
一年間の手帳には
どこか余白に
その年の掴みとなるまとめと
じぶんの人生の中での
その年の位置づけを
単語を並べるだけでもいいから
索引のように
見やすく
メモしておくといい
まだまだ続く
これからの航海のさなか
時どき見直すと
過ぎたその年が何だったのか
その都度 意味や彩を変えながら
もう度々は会わなくなった
旧友のように
くつろぎの酒の
得難い供になってくれる
すべて
役目を終えたものと同じように
使い終わったところから
手帳の仕事は
ほんとうに始まる
終わってしまった
ところからこそ
人生とかいうものも
本当に
意味を持ってくるように
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