ページを開くと波が押し寄せてくるが
鼻先まで波がしらが来ては
ゴーゴンに出会ったように止まる
本は閉じなくていいよ
なんのフライだろう
おいしそうな匂いが漂ってきている
たぶん
人魚たちが
オキアミの掻きあわせでも
揚げているんだ
本は閉じなくていいよ
波がしらはきっと
あのまゝ
豊潤な酒になっていく
時間を吸い続け
琥珀色に焼けていくはずだが
もちろん
旨くなる頃まで
ぼくらは待って居たりはしない
来る風が
いつものように勝手に
ページを捲っていくだろう
どのページにも
押し寄せてくる波
押し寄せてくる波
押し寄せてくる波
なんと
種類豊富な
未来の美酒の数々!
本は閉じなくていいよ
開いたまゝで
すべて そこに
あそこに
そのまゝに
閉じず
とり集めず
回収せず
人生のように
いのちのように
開いたまゝ
もしお望みならば
脱ぎ捨ても
して
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