ぼくは頭が人いちばい悪いかもしれないけれど
それでもいいと感じている
子どもの頃に見た絵本の中に
こんな絵があった
満月の夜
赤ちゃんをおぶったお母さんが
井戸端に立って
赤ちゃんに
子守歌を歌いながら
あやしていて
そうして
なぜだか覚えていないけれど
ネコだか
タヌキだかが
微笑んで
赤ちゃんのほうを見上げながら
井戸水を引き上げている
ネコだか
タヌキだかも
お母さんも
赤ちゃんも
満月に煌々と照らされて
明るさと陰とを
劇的に帯びている
ぼくは頭が人いちばい悪いかもしれないけれど
それでもいいと感じている
子どもの頃に見た絵本の中に
こんな絵があった
という
ことだけで
もう
なんだか
すべてはいいのだ
この世に来た意味は十分あって
そうして
そういう意味は
もう
済んでしまっている
完了してしまっていると
つよく感じている
から
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