ドリップさせて
ちゃんと淹れるコーヒーより
インスタントコーヒーを
さっと淹れるほうが
気分にとても合う深夜もある
そういう夜
音楽もかけず
モニターを点けたりもせず
手帳の月間欄や週間欄を開いて
正面にでなく
わきに置きながら
まだ自分でない自分
これから集まって来て
近い未来の自分を構成していく要素たちの
主要ないくつかを
霧の中に位置を探るように
見定めようとしたりする
見定めようとするとはいっても
かたちはどれもおぼろげで
漠然としか定位できないけれども
それがまたよいところ
かたちや出来事や事態たちは
時間とたくみに結託して
まだまだと思っているうちに
すぐにも現出してくるから
おぼろげで
漠然と見定めがたい頃にも
それなりの楽しみ
インスタントコーヒーの曖昧さは
そんな時期に
よく合っているのかもしれない
0 件のコメント:
コメントを投稿