生きることは、他者であるということだ。
そして、もし昨日感じたように今日も感じるというのなら、
感じることは不可能である。
昨日と同じものを今日も感じるというのは、
感じるということではない。
フェルナンド・ペソア『不穏なる書物』
生活が激変したばかりか
インターネットも通じない二週間を過してみると
驚かされたのは
たいていのことがどうでもいいことばかりだったということ
スマートフォンは持っていたから
ネットのニュースくらいは見ることができていて
だから新聞など買う必要もなかったけれど
そもそもネットのニュースなんて
真顔で読み込むほどのものでもないから
ちらちら見るうちには飽きてしまって
新たな生活を整えるほうへと頭も体も向かっていったもの
それにしても
契約していたプロバイダーときたら
住所が変わる前にちゃんと引越手続きを頼んだというのに
まるまる二週間もかかって
ようやく新居で使えるようになるなんて
のんきな商売をやっていやがるぜ
まったく
まぁ、いい
たいていのことがどうでもいいことばかりだったと気づかしてもら う
いい契機にはなったのだから
じぶんというモノもどうでもいいものだと気づき直したし
そりゃあ確かに
性格だの好みだの
こだわりどころだの
人格だのは
じぶんと呼び習わしているこの小さな時空に
深く深く染み込んだ汚れだから
そう簡単には抜き取れないものの
どれも
どうでもいいものだと
やっぱり気づき直すことができて
その契機にも
なってくれたのだから
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