亡世
亡身
むかしの中国で
世間のわずらわしい雑事や役割を忘れることを言ったが
これは
むかしの人は知恵があった
という話ではなく
むかしから世間はわずらわしいものだったということ
むかしから世間に呑みこまれない技術が必要だったということ
白居易なら
身閑 心閑 体閑 思閑
蘇軾なら
自娯 娯人 娯客 娯心
こんな言葉いじりをしながら
世間から
なんとか逸れては
ホッと
息をついた
かれら
こんな言葉いじりを
詩でやっていたところに
むかしの中国の
先進性がよく出ている
世間を
たくみに泳ぐためではなく
世間から
逸れるための
言葉いじり
文化は
そこに現われる
世間と並走しているかぎり
じぶんなんて
ない
世間と睦まじくやっているかぎり
世間と睦まじくやっているかぎり
じぶんの生
じぶんだけの生なんて
ない
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