2017年6月18日日曜日

世間から逸れて



亡世
亡身

むかしの中国で
世間のわずらわしい雑事や役割を忘れることを言ったが

これは
むかしの人は知恵があった
という話ではなく
むかしから世間はわずらわしいものだったということ
むかしから世間に呑みこまれない技術が必要だったということ

白居易なら
身閑 心閑 体閑 思閑

蘇軾なら
自娯 娯人 娯客 娯心

こんな言葉いじりをしながら
世間から
なんとか逸れては
ホッと
息をついた

かれら
こんな言葉いじりを
詩でやっていたところに
むかしの中国の
先進性がよく出ている

世間を
たくみに泳ぐためではなく
世間から
逸れるための
言葉いじり

文化は
そこに現われる

世間と並走しているかぎり
じぶんなんて
ない

世間と睦まじくやっているかぎり
じぶんの生
じぶんだけの生なんて
ない



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