2017年8月11日金曜日

たぶんヨイヨイになる頃までね



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8月31日は
ボードレールさんの亡くなった日

有名な詩人で
たぶん
詩人っぽさという点では
世界で最高
セレブ中のセレブ
「ボードレールがさ…」
なんて
なにかの時につぶやくと
古めかしいカッコつけだけれど
効くんだね、これが
いまだに

個人的にも好きだったし
原語の詩集も
いろいろな版を持っている
どれにも
線が引いていあるし
書き込みもある
こんなに読み込んだ詩人って
ボードレールさんや
ランボーさん
ロートレアモンさんくらいしか
いないかな

でもね
ときどき読み直すと
けっこう
下手だったんだと思うし
意外と無駄なところも多くて
この連あの連
つまらないよなぁ
と感じる
うまく表現しきれなくって
苦しまぎれに
内容を諦めるか
単語選択を諦めるか
してしまっているところが
けっこう多い
ボードレールさんの詩は
音数も韻も行数も整えながらの
ちゃんとした韻文形式だから
そりゃあ
しかたがない
アポリネールさん以降に
急速に堕落した自由詩形式とは
違うんだものね

でも
詩っていうのは
そんなもんだ

詩人が乗ってくると
章句は
つまらなくも
なるし

どの時代にも
大事なのは
緩急のつけかた
力を入れたかと思うと
サッと抜く
いろいろ語っちゃうぞと
見せたかと思うと
ひょいと逸らし
いつか
もう少し話すよ
と言い置いて
べつの舟に乗ってしまう

調子に乗って
いつも同じ口調で
思っていること
生活のこと
チープな民主主義的理想のご披露
そういうのは
もう数行で
ごちそうさま
殊にひどいのは
ひとりだけ
勝手に興奮して
前衛だとかアヴァンギャルドだとか
なに気取ってるんだか

それはそれとして…

この先も
ボードレールさんの作品を
大事にしていくのかなァ、わたし?
というと
そうでもないかも

でも
一二冊は
シンプルな体裁のを
持ち続けるつもり
たぶん
ヨイヨイに
なる頃までね

詩人への
最大の尊敬の表現って
こんなふうに
表わすもの



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