昔のことなのに
ふいに
今頃になって
もう昔ではないのに
昔のその時間ではない今頃になって
こんなに間近に
ドアをほんの少しさらに開けば
そこにありありと展開している光景のように
蘇ってきている
ーーのではなく
ある!
ある!
ある!
ほんとうに!
大きく膨らんできて
顔にぴったり接してきている風船のように
こんな時
わたしたちは近いのかもしれない
時間というものの本質に
過去が過去でなどないということの真実に
現在はたゞ広場のようなもので
その気になれば
四方八方に
身軽にちょっと歩いていく気にさえなれば
どの過去にもすぐに
もう一度
二度三度
何度でも
行き直すことができるということに
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