2017年12月26日火曜日

分かれ 詩人なら


ホッと息を
しかし
やさしく
つく

そんな詩が
ほんとうは求められているのに
壮麗な自我の殿堂や
眉間に深く皺を寄せた息苦しさや
欧米語の語源へ遡りさえしない浅薄なナントカ主義擁護などが
数十年ほど幅を利かせていた国

それらが崩れ落ち
あまり見向きもされなくなって
どうやら
なめらかに古典になっていけそうにはない風情なのも
いい眺めではないか
諸行無常の
お得意の風土に
いかにもお似合いで

ホッと息を
しかし
やさしく
つく

それに曳かれるように
導かれるように
だれもが
ホッと息を
しかし
やさしく
つきたいのを

分かれ
詩人なら


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