あの人も死んだというが
この頃
死というものを
いよいよ
なんとも思わなくなっていて
あ、そう…
と反応してしまう
こころ
冷たいとも
非人情だとも
非常識だとも言われそうだが
平常のこころが
あたり前のように
こんなに
生死の区別をやめてしまっているのも
馬齢の重なりのせいならば
なんだか
寿いでもいいような
気になっている
二十年以上経て
ほんとうに
久しぶりに再会した人の顔が
つい先日のこと
あまり変わっていないようながら
なにか
別人のようになっていて
というより
その人の人間自体が
あまりに変質してしまっていて
驚くという以上の
がっかり感のような
虚無が顔かたちになったのに直面させられたかのような
突然の空洞がこころにできたかのような
それを思うと
相手が生きていても
死は厳としてある
と感じる
がっかり感のような
虚無が顔かたちになったのに直面させられたかのような
突然の空洞がこころにできたかのような
そんなのことが
死
ではないか
ならば
あ、そう…
と反応してしまうような
誰彼の死は
やっぱり
死
でなど
ないような気がする
生きているのだ
かわらないのだ
たぶん
永遠なのだ
そんな
誰彼たちは
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