2018年5月9日水曜日

ケサワヒガシ先生のお名前も


 いつの場合でも、まさに第一の局面にしたがって極度に脱領土化した流れが、第二の局面にしたがってプロセスの集積や結合をおこない、超コード化を引き起こし、再領土化の基盤として働くのだ(われわれがすでに遭遇した定理によると、再領土化は、必ず最高度に脱領土化した流れの上で起こることになっていた)。たとえば都市の商業ブルジョアジーは、知やテクノロジー、アレンジメントや流通回路を接合し、これを資本に変えるわけだが、貴族も教会も、職人や農民も、すべてその支配下に入っていくことになる。 商業ブルジョアジーにこのような全面的再領土化をおこなう力があったのは、彼らが脱領土化の最先端にあって、まさに粒子加速器たりえたからである。
            ジル・ドゥルーズ+フェリックス・ガタリミクロ政治学と切片性」in『千のプラトー』(1980
            [Gilles Deleuze Felix Guattari : Microplitique et segmentarité in Mille Plateaux(1980)]



フランス革命から王政復古期の頃までの
政治なるものが最高度にめちゃめちゃに左右に触れた時期について
あれやこれや
10分にひとつずつ頭部が胴体から切り離されるのや
200人ずつ纏められて大砲で砲撃されることや
あるいは後にスターリンがやり方を真似たごとく
もっと簡易に200人をそのまま河に沈めることなど
詳細に眺め続けるのも
わたくしの趣味のひとつなので

よかれ悪しかれ
政治が暴力によってしか支えられず
修正もされず
改変もされないものなのは
よくわかっている
あまりに
よく
よく
わかっている

現在の日本政府の最初期の新政府軍が
戊辰戦争の際に敵の遺体埋葬を禁じ
会津若松城の内外に無数の遺体を散乱させたままにしたことや
新政府軍に随行したイギリス公使館のW・ウィリスをして
「私は一度も捕虜を見ていない…
「日本政府が敵対する大名の家臣を見境いなく殺害していることを
「世界の国々が聞けば震え上がるであろうし、
「とりわけ文明国は憎悪の思いを滾らせるであろう
と言わしめたありさまに加え
軍夫や道案内に連れ出された住民は容赦なく殺されたり
たとえば会津藩の前線拠点のひとつ那須軍三斗小屋宿(栃木県)では
旧幕府軍の軍夫にさせられた農民たちが畑の中に立たされ
新政府軍の一斉射撃の標的にされたり
元名主などは自宅を旧幕府軍の仮陣屋にされ
新政府軍のための道案内を強制されたのち柱に縛りつけられ虐殺され
股の肉を焼いて食べられさえしているほどで
戦闘能力を失った敵兵の全員の殺害
住民からの食糧物資の強奪
敵地域の住民への凄惨なリンチなどは
後年の帝国日本軍の大陸での蛮行そのままであったらしい
敵の人間の肉を食べるということも普通で
特に人間の脳や肝臓を妙薬として服用するとよいという考えや習慣
明治はじめまで根強く
日本政府は明治三年(一九七〇)四月
「人肝或いは霊天蓋(脳髄)・陰茎等」の密売を
「効験これ無き事に付厳禁する」との通達を
出さねばならないほどでもあった

オッと
わが麗しき秋津島
わが美しい国の
誇るべき過去の出来事の細部に入り込み過ぎてしまった…

人間社会がそもそも
暴力装置でしか
あり得ず
どうしようもなく
今後百年や数百年ほどは
この点は
直し得ないだろうということを
今さらながらに確認し直したかったというだけのことで
ちょっと
思い出し過ぎてしまったわいノゥ…

あの仏蘭西大革命から遠く離れて
極東の島国では
いま
公文書の改竄なんぞ平気で行われるようになり
国民財産の国土なんぞ恣意的な値段で譲られるようになり
国家の最高職のひとつに就く者なんぞ小学生低学年のように
「おっぱい触らせてェ」
などと露骨でお下品な言辞をごくごくあたりまえに弄したりする
もちろん政府は本気で自浄しようとなどしないし
せいぜいが「残念だ」とか
「遺憾だ」とか
そんな言葉を語彙庫から節約ぎみに引き出してくる程度

新聞やSNSやネット上では
民主主義の終焉だとか
内閣は退陣せよとか
それなりに騒いではいるものの
それも言葉の上での騒ぎで
政治は暴力でしかないのを熟知していたナポレオンが
国会に向けて本当に砲撃をしたような
そんな思い切った行為は
この列島ではもちろん期待しようもないので
(いやいや
(先にもちょっと思い出したように
(幕末には殺しまくったというのになァ
(わが麗しき島民の皆さまたちは
(どこにあの蛮行癖を忘れてきてしまったのやら…

現代の政府は末期の江戸幕府のようなものだというのに
あの頃は誰かれかまわず切り殺し撃ち殺し
旧体制の人間の肉など炙ってむしゃむしゃ食ったというのに
内閣を引きずり下ろせなどといくらオダを上げているようでも
現代
いま
21世紀のソフィスティケイトされたご時世
なにも起こらぬままいつものようにずるずると続いていくだけ
どんなに支持率が下がろうとも
せいぜい千何人程度の人数への調査にもとづく支持率など
政府にはそもそもなんの影響もなく
解散総選挙を
する/しない(吉高由里子にでもCMさせたらよろし)の調整技術で
どうにでも左右できる程度のことに過ぎないし
仮に選挙したとしても
いつもながらに
投票しに行く有権者はいちばん愚かな側に票を投じるばかり
万一違う方向に票が向いそうになっても
そこはそれ
名立たる選挙改竄機械ムサシの出番なのだし
今さら
アームストロング砲など向けられはしまいと高を括っているわけで
ようするに
永遠に
なにもかわらない
寿ぐべき
あゝ
極東列島

古来
民主主義は奴隷制によってのみ支えられる制度で
そればかりか
暴力と侵略と抑圧とによって機能する制度
修正するには
ロベスピエールやサン=ジュストやナポレオンに倣って
ギロチンや大砲を適切に用いる他に方法はないというのに
SNSに何ごとか書き込んだり
国会前できれいに今風にレイアウトされたプラカードを掲げたぐらいで
何ごとか変わるなどと思っていたら
大間違いよネ、

ネ、
ネ、
ブランキ先生?

ケサワヒガシ先生のお名前も
そう
毛沢東先生のお名前も
加え
ちゃ
おう

この際

ひさしぶりに
懐かしの
お名前



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