2018年6月21日木曜日

白いカフェで待つのがいい



白いカフェで待つのがいい

湿り気は
きょう、ことに薄い花びらの水中花のよう
たわむれに
これに出会わせるには
小さなめだかでも大きすぎる
もっともっと
小さなものをさがそう

待つのは
用事のあるだれかだったり
大事なひとだったり
あるいは
本当の
…などと形容のついた
じぶん
だったり

そういうのを待つのは
でも
もうやめてしまっている

待つ
直接目的語なしに
ひとりっきりで
居てもらわなければならない

だから思う
白いカフェで待つのがいい

内装も
ひとたちの肌も
髪も
目の色も
怪我したときに出る血も
コーヒーも
紙幣も貨幣も
窓から見える外の風景も
空も木々も
もちろん
信号も
みんな白い
そんなカフェ

白いカフェで待つのがいい




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