ふたつある扇風機のうち
わたしの居間で廻っているほうだったか
寝室ちかくの廊下で廻しているほうだったか
どちらが
死んだ友のかたわらに
最期まであって動いていたものか
もうわからなくなっている
もちろん友の波動は染み込んでいるから
しずかに念波を読み取ればわかるはずだが
どちらもわたしが電気店に買いに行って
どちらもわたしが組み立てて使えるようにしたもの
原初にあるそうした“わたし”性が
もっとも強く扇風機たちを浸しているから
わたしにはどちらがどちらだか
少しわかりづらくなるということも出てくる
神霊の道はこれほど微妙で
じぶんの波動を外して物事を捉えるのが
ほんとうに難しい
0 件のコメント:
コメントを投稿