2018年7月26日木曜日

…わたしの世代も、どうやら、ろくな世代ではない



同じ世代の人と、むかし、
(もう、だいぶ、だいぶ、だぁいぶ前のこと…)
東京散歩じみたことをしていたら、
どこかの小さな公園で、老人が、ひとりで体操をしていた
たしか真っ白かったと思うが、しっかりジャージを着て、
腕を開いたり、閉じたり、まわしたり、
脚を屈伸させたり、後ろに反りかえったりして、
ラジオ体操のような動きをしている

それを見て、
同じ世代の人は、
「はずかしいですよね、よくやれるな、あんなこと
いかにも当然、という様子で、こう言った

「え、どうして?
と聞くと、
「運動選手でもない人間が、外で、あんなことをしてるなんて、
「どうかしてるじゃないですか?
「いい歳して、人間、やっちゃいけないことって、あるでしょ?

どうやら、この人の考えでは、
スポーツ選手でもない人間は、公園で体操などしてはいけないし、
運動着で外に出てはいけないし、
ましてや歳をとったら、絶対に戸外に運動しに出てはいけない、
ということになるらしい

…わたしの世代も、どうやら、ろくな世代ではないのかもしれない
と、この時、少なからぬ衝撃を受け、
こうした精神の硬直、こうした事なかれ主義、
すでにして時代遅れの老体の不平不満のぶつぶつのような、
こうした冷笑癖に、腹の底からの憎悪を感じた

同じ世代のこの人と加わっていた集まりを離れることにしたのは、
他の幾層もの理由があったからとはいうものの、
それでも、こんな人たちがひとりでもいるところには
断じて加わっていたくない、という思いもはっきりとあった



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