同じ世代の人と、むかし、
(もう、だいぶ、だいぶ、だぁいぶ前のこと…)
東京散歩じみたことをしていたら、
どこかの小さな公園で、老人が、ひとりで体操をしていた
たしか真っ白かったと思うが、しっかりジャージを着て、
腕を開いたり、閉じたり、まわしたり、
脚を屈伸させたり、後ろに反りかえったりして、
ラジオ体操のような動きをしている
それを見て、
同じ世代の人は、
「はずかしいですよね、よくやれるな、あんなこと
いかにも当然、という様子で、こう言った
「え、どうして?
と聞くと、
「運動選手でもない人間が、外で、あんなことをしてるなんて、
「どうかしてるじゃないですか?
「いい歳して、人間、やっちゃいけないことって、あるでしょ?
どうやら、この人の考えでは、
スポーツ選手でもない人間は、公園で体操などしてはいけないし、
運動着で外に出てはいけないし、
ましてや歳をとったら、絶対に戸外に運動しに出てはいけない、
ということになるらしい
…わたしの世代も、どうやら、ろくな世代ではないのかもしれない
と、この時、少なからぬ衝撃を受け、
こうした精神の硬直、こうした事なかれ主義、
すでにして時代遅れの老体の不平不満のぶつぶつのような、
こうした冷笑癖に、腹の底からの憎悪を感じた
同じ世代のこの人と加わっていた集まりを離れることにしたのは、
他の幾層もの理由があったからとはいうものの、
それでも、こんな人たちがひとりでもいるところには
断じて加わっていたくない、という思いもはっきりとあった
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