2019年10月24日木曜日

しっとり静かな小径の闇のなか



  
小径をたどっていけば
すぐ
はなれのレストランに着く

もう夜だ

たいして食慾はないが
ちょっと
食べておきたい

小径を歩いて行くうちに
胸のあたりに
食器がふたつ浮かび上がってくる

ひとつは玄米
もうひとつは汁物

汁物には
根菜がいっぱい入っていて
こりゃあ
おいしそうだ

玄米も汁物も
宙を浮いて
ついてきてくれる
箸も
匙も
わきに浮いていてくれる

はなれのレストランまで
べつに
行かなくてもいいな

しっとり静かな
小径の
闇のなか
立ち食いだけれど
多過ぎない
閑雅な
ひとり夕食を
のんびりとっている




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