2020年1月13日月曜日

膏雨、紅雨



前田普羅が
萍に膏雨底なく湛へけり
詠んでいる

膏雨
という言葉は
わたくしの日常つかいのことばにはなくて
はずかしい
農作物の恵みとなるような
よき雨に接しても
とっさには
思いに上らない

膏という字は
そうか
うるおすという意味だったか
だから膏薬なのか
理解し直してみる始末

そういえば
紅雨
などということばも
すぐには
思いつかない
春に花にそそぐ雨をいう
せっかくの
美しいことばなのに

桜や
山吹の降る雨に
紅雨
とつぶやいていいのか
牡丹に降る雨には
もう
季節はずれか




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