2020年2月13日木曜日

これが老いということなのか


  
歳をとってくると
じぶんよりも
同年代の知りあいや
友人が
まっ先にダメになってくる
それが見える
見せつけられる

世の中で生きていれば
老いも若きも
ふつうにしなければならない連絡や
来た便りへの返信のしかたから
崩れてくる
総崩れになっていく

ものの感じ方や
考え方や
振る舞い方まで
なにか特権のようなものが
じぶんだけにはあるかのように
なっていく

おなじ年代として見ていても
それはあまりにも
と思わされる
毛づくろいできなくなった猫のように
それはあまりにも
それはあまりにも

老年というより
中年というべき年齢から
こんなことははじまっていて
いや
社会人になってしばらくした頃から
はじまっていて
同年代の知りあいや
友人が
まっ先にダメになってくるのを
見続けてきた
見せつけられてきた

ながいあいだ
これに堪えてきたものだが
ある時点から
同年代には会わない
と決め
ふつうにしなければならない連絡も省略
来ないであろう返信を見越して
はじめから通信も省略
ものの感じ方や
考え方や
振る舞い方の
なんだかわからぬ特権階級さんたちには
完膚なき切り捨て
崩れには崩れ
総崩れには総崩れ

おかげで
ずいぶんさっぱりしたが
なんだか
裸一貫になった感じの
すうすうする身で思うには
老いたということか
おれも
これが老いという
ことなのか




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