ある部屋にいたら
ときどき
ちょろちょろ
と
わずかに
水の流れるような音のすることが
あった
ちょろちょろ
ときどき
だけ
ちょろちょろ
霊能者のひとりと
なにかのおり
そのことを話したら
あゝ、それね
水のちっちゃな流れの
痕跡ね
と
教えてくれた
川でもなく
溝でもなく
どこかから流れてきていた
支流の
さらに支流の
そのまた
支流
みたいな
ちっちゃな流れが
むかぁし
あって
家ができたものだから
もちろん
その流れは
なくなっちゃったんだけど
水は
好きだったのね
そこが
そんなちっちゃな
流れかたが
だもんだから
水の思い
まだ
刻み込まれている
そこに
場そのものに
流れがこわされ
なくなって
家が建てられ
すっかり
様相はかわってしまっても
水の思い
そこに
ちょろちょろ
ちょろちょろ
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