2020年3月11日水曜日

クワバラ、クワバラ……


  
今から思えば新型コロナウィルスに……

いや、そうではなかったはずだが、ウイルスの時代の始まりを
はやくもわが身に浴びていたのは事実ではなかったか……
そう思えないでもない

1月20日からひどい眠気と疲れがはじまり
喉と鼻にひどい風邪症状が出始めた
朝起きると鼻からは青い溜まりものがドロッと出た

翌日の夕方からは左目に多量の緑の目やにが出始め
拭い取っても15分もすれば外に溢れてでてくるほどの目やに
咳は激しく出続け、喉や鼻の不快感は極まって、
この日に予定していた会はキャンセルさせてもらうことにした

22日になると、朝には、目やには止まっていたが
声帯がやられたようで、声のトーンが保てなくなっていた
しゃべろうとすると、一音一音、予期しない音になってしまい
音で単語を形成することができない
この日、中国・武漢の新型コロナウィルスの死者が17人になったとの報

23日の朝までの就寝中、ひどい咳が続き
痰や鼻水も出続けて、ほとんど眠ることができなかった
起床すると目のまわりが腫れていて、殴られでもしたかのよう
起きても涙が出続けて、目やにが、また、少し出るようになった

24日も朝までひどい咳で眠りづらく、目やにがひどい
この日はどうしても休めない仕事があって、出かけたものの、
目は充血し続けていて、目のまわりは腫れ続けている
ふだんはコンタクトレンズを使っているのだが、この日は眼鏡を使った
帰宅してから喉の痛みがひどくなり、声の変調がふたたび出る
鼻水と激しい咳も出続け、さらに目やにが両目にひどく出て、
拭いとっても10分もすると溜まってきて、
放っておくと、まぶたが目やにで糊付けされるようになって、開かなくなる
ただ、この頃までには、諸症状を観察してじぶんで検討した結果、
アデノウィルス感染症であろうと自己診断していたので、
翌日の25日頃には回復するだろうと推測できていた
この感染症は発症期間が5日ほどで、薬も治療法もないが、
20日の発症からすでに5日が経とうとしていたので、
翌日か翌々日には治っているはずだ、と見込んだ
仕事帰りに薬局に寄って買ってきた
抗菌剤のサルファ剤であるスルファメトキサゾールナトリウムと
消炎剤グリチルリチン酸ニカリウムを主成分とする目薬を点眼して
とりあえずは対処療法として、目やにだけは抑えておこうと考えた
面白いことに、この日の夜、ある占い師による記事を見ていたら
ウイルス性疾患がつよく出る時期に全世界が入った、と警告していた

翌日25日には朝から症状はすっかりなくなり、
その後も症状は出なくなったので、自己診断は正しかったと判断した
そのかわり新型コロナウィルスの被害は急速に拡大し始め
28日には中国で4515人の感染者、106人の死者が報告され、
日本でも6人目の感染が確認された
翌日29日には中国で6061人の感染者、133人の死者となり、
その後の大発生へと続いていく

アデノウィルスの潜伏期間は一週間ほどなので
感染したのは1月13日前後と思われたが
その頃はいつも通りの生活をしていて、
感染のきっかけとなるようなことに出くわしたとは思えない
もちろん、なにかに触れた指で目を拭ったりした可能性はあり、
そんなことが原因だったとは言える

さらに4日も遡ると、国立劇場に「菊一座令和仇討」を見に言っていて
その際に触れたなにかから感染した可能性もあるかもしれない
そういえば、ひとつ離れた席に風邪を引いている老人がいて
マスクをしていたものの、かなりひどく引いているらしく、
おそらく、せっかく席を取っていたから無理をしてでも来ていたのだろう、
妻に世話されながら、なんとか最後まで居続けていた
休憩の時間でさえもたったの一度も立つこともなく、ものも食べず、
トイレにさえ行かなかったのがやや奇異だったが、
ひょっとしたら、あの老人からうつされたのかもしれない……

発熱はまったくなかったので、新型コロナではなかっただろうし、
症状から見て、アデノウィルスによるものだろうと思うが、
今になって振り返れば、あのように、新型コロナにも、どこで罹ってしまうか、
わかったものではない
1月のうちに、こんなウイルス体験をしてみた結果の気持ちとしては、
なぁに免疫力さえあれば、などと安易に考えている人たちを見ると、
クワバラ、クワバラ……と言ってやりたくもなる




0 件のコメント:

コメントを投稿