2020年4月24日金曜日

(ずっと (ずっと (………

 

二〇二〇年 ことし
正月
京都に在った

ひとり
寒い嵐山へ

ぼんやりと
いつものように
まずは
渡月橋へ
橋わたりするために

橋わたり
する
すぐに
ぼんやり
橋もどり

橋もどり

ぼんやり
そうして翻り
京ではいつもそうするように
二尊院へ

(あゝ 京で
(訪ねたいのは
(二尊院
(常寂光寺
(だけ

二尊院では
ひとりだった
いつものように
ゆっくり
二時間はかけて
墓所のなか
墓から墓
歩きまわり

雨に降られた年もある
霙のなか
写真を撮ろうとした晩冬もある
酷暑の階段を
タオルでうなじを拭いながら
法然廟まで
上ったこともある

数えきれない
  (数えられるのに
  (そう言ってみたい… 
訪問の
大きな墓所の山

墓山
…という
言葉は
あるかしら?

あるのかしら?

ことしは正月から
和歌の盛りだった頃の公家たちの
お墓参り
できて
あゝ 恵まれた
うれしい
であった

二尊院に
結局は三時間も居てしまって
閉門後に
脇のくぐり戸から
出してもらう羽目になってしまって
(いつものとおり…

常寂光寺にまわる
時間
なくなってしまったけれど

この次には
常寂光寺
から
まわることにしようか
常に寂しい
光の
から

(とはいえ
(いつも
(いつも
(二尊院から
(まわりたくなってしまう
(そう
(この二〇年ほどは
(ずっと
(ずっと
(……………





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