駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2020年5月27日水曜日
モーゲンソーの洞穴
入浴を終えた子の足音が
ひたひた
近づいて来る
きっと
濡れた手のままで
後ろからわたしの腿にしがみついて来る…
嘘だ!
黄色い花の咲き満ちる園で
懐胎したまゝリジーリアが死んでこのかた
あの子は
いつも小さな金の蛇のすがたでしか
近づいては来ないのだから
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