駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2020年7月17日金曜日
すっからかん
二重橋のところに
暮れがた
差しかかったら
たいそうな声で蝉が鳴いていた
日比谷や
丸の内のビルのならびには
響いているだろうか
蝉たちの
この声
交番のお巡りさんに
おばさんがひとり
なにか
聞いている
街灯が黄緑色に
柳の枝葉を色づけて
ニッポンの中心だというのに
夏の
ふつうの暮れがたの
皇居前は
すっからかん
すっからかん
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