2020年10月14日水曜日

友というものがまったくいない歳月を

 

というものがまったくいない歳月を

十年

は確実に過ごした

たったのひとりもいない

歳月を

 

多少とも

思いや気持ちのやりとりができる

知りあいも

まったくいない期間を

確実に

十年は過ごした

 

もっと

遡って考えれば

何十年も

そうだった

 

 

多少とも

思いや気持ちのやりとりができる

知りあい

 

そんな存在が

何人もいる

思い込んでいただけの

何十年

 

みんな

嘘だったのだ

十年前に

わかり尽くした

 

ひとびとは

飲み仲間でつるんで

政治や行政や世間の非難に

よく

精を出している

 

だが

つるむ飲み仲間に

などいない

と知り尽くしたあとでは

よほど

政府や行政や世間のほうが

やさしい

感じる

十年

それを

わたしは

生き延びた

 

よほど

安倍晋三や

菅義偉のほうが

やさしい

感じるわたし

十年が

つくった

 

(こうして

(国体をこそ

(わが誠

(と思うように

(なっていく

(ひとびともあるのか…

 

前例のない事態だったウイルス災禍に際しても

「こんな中で大丈夫?」

短信さえ送りあわない関係の

ひとびとが

たくさん

いた

 

どんなに粗末なものでも

マスクを送ってきてくれたり

わずかでも

給付金を送ってきてくれたりしたのは

政府

だけだった

 

誰を切り捨てるべきか

誰の言説や思想は無視すべきか

露わにし切った

災禍の時期だった





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