人間は不快なものを
シラミつぶしに
こつこつ
避けていくものだから
ヒヤッと冷たい
いやあなものも
こつこつ
避けていくもの
避けようにも
何年ものあいだ
避けられなかったものに
学生服の詰め襟の裏の
あの白いプラスチックの
肌触りがある
まぁ 初夏や夏ならいい
冬の寒い朝に
詰め襟のあの冷たい裏を
じかに首すじに当てて
ホックを留める時の
息の止まるような
あのヒンヤリ感は
少しでもはやく放棄して
そこから逃亡したかったもの
よくもまあ
あの冷たさに耐えたものよ
と冬の寒い時期になると
思い出しては感心する
制服を脱ぐ時も
下手をするとすぐに
バキッと折れてしまう
あの白いプラスチック裏
なんだったんだろうね
近代日本学生史において
あれは?
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