霞が立つようになってきたな
ここ
吉野の山中でも
雪はまだ
消えず
そこかしこに
残っている
こんなふうに
霞みがかっていなければ
春が来たとは
まだ
とても思えないよ
藤原顕仲さん
堀河百首で
冬の雪と春の霞が
同時に見られる吉野山を
歌っていたな
谷陰に
まだ雪が
消え残っているのに
同じ山辺に
春の霞が
立っているんだよ
と
ほんとうに
霞あればこその
ここ
吉野の春
和して
歌っておこうか
わたしも
西行
霞まずは何をか春と思はましまだ雪消えぬみ吉野の山
『山家集』上 春十一
藤原顕仲
谷隠れまだ雪消えぬみ吉野のおなじ山辺に立つ霞かな
『堀河百首』
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