さっきまで暖かかったのに
日の暮れが近づくと涼しくなってきて
肌寒く感じるほどのそよ風さえ
腕にうなじに吹きよせてくるようになった
そっと恐怖を目覚めさせるその肌寒さは
たえず個のわたしのありようを脅かそうとし
わずかに作りあげてみた堡塁や
城の土台さえも崩そうとする
波のような斯界のつねなる運動のようだ
親しんできた環境も最良ではなかったとはいえ
それでも長く浸かっていれば馴染みもし
ふり返れば懐かしくもなるのだから
それらの崩壊の時の来るのはやはりせつないが
やさしく音も立てずに吹きよせる
この肌寒さはまさに予兆ではないか!
終わろうとするものがまだ終わっていない時の
なんというやさしい細かなさざ波のはじまり
まさにそうした予兆の吹きよせではないか?
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