気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
季節はずれの紫紺の菊を
さっと
山の
冷たい水にくぐらせ
死の死への餞に
と
薄い
さみどりの衣の袖の濡れぬように
そよ風
吹くかのようで
吹かぬ一瞬を
記憶の中に流れる
一筋
ふた筋
宙に
長い髪が伸びて
見えないが
遠く
あの山のすぐ向こうにあるはずの
真っ青な
海原
それへと抜けて開く
心のどこか
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