京都の高級ホテルのあちこちで
瓶詰めのお茶をよく出された
後発酵の黒茶であったり
紅茶であったりしたが
ホテルに着いた当座
チェックインを待つ間などには
冷したこれを飲むのも
まぁ悪くはない
家にも送られてきたりして
瓶詰めだから心配せず
室温のままどこかに
箱から出さずに置いておいたりするのだが
この間ふと見て驚いたのは
要冷蔵だと書かれている
10度以下で保存とあって
貰ってからもうひと月経っているから
これはダメかもしれないと思いつつ
冷蔵庫に入れ直して
味見というか毒味というか
ちょっと注意しながら飲んでみたら
まぁ大丈夫そうなので
このところ一本ずつ飲んでいる
どうということのないお茶で
不味くはないが美味くもない
こんなものを瓶詰めにして
なにかご大層ぶってふっかけるとは
世の中もどうかしていると思う
紅茶や茶の味にはうるさいので
美味くないものはちゃんと
美味くないと言いたくなってしまう
ただのお茶だから
べつに瓶詰めしようが
買う馬鹿がいるというのなら
高値をふっかけようが
かまわないが
壜を開ければすぐ飲めるのは便利でも
たいして美味くもないのを
褒めろといわれてもそれはできない
高級ホテルのディナー前に
外の風景が見渡せるカウンターで
これが出てきて壜を見せてもらったら
なんと製造会社は東京の西早稲田で
それを見てゲンナリとなったのを覚えている
「西早稲田」製の高級瓶詰め茶と聞いて
笑ってしまわない東京人がいるだろうか?
あのあたりはよく知っているから
早稲田の学生に混ざって飲み食いしたり
古本を探したりするにはいいだろうと思うが
瓶詰めの高級茶にあの住所を印刷するなよ
とどうしても思ってしまう
この末世の末世の社会にあっては
必死に流行させようとする高級品なるものには
お笑いがピッタリ貼りついている
0 件のコメント:
コメントを投稿